ぼくと1ルピーの神様

ぼくと1ルピーの神様 ★★★☆
こっちは『東京タワー』の後に読んで、いわば真逆だなと思った。
文体は簡単で分かりやすく、内容はちゃんとあって。
インド版クイズ・ミリオネアみたいなやつで
(これ、色んな国でやってて、色んな映画や小説の題材に使われてるよね?)
みごと全問正解し、史上最高額の賞金を勝ちとった主人公が、逮捕。
孤児で教養のない少年が難問に答えられるはずがないっていう理由。
クイズの第1問目から順に、なぜ彼が答えることができたのか、
彼が人生から何を得てきたのかを、
時代順ではなく、クイズの出題順に追って理解していく形式で進む。
インドの清濁併せのむ文化が背景にあって、その中で
教養もないはずの主人公が、機転や頭のよさで切り抜けていくさまを
時代を前後しつつ、追っていく。
点と点が繋がって、線になって主人公の人生が浮かび上がる。
最後に色々な線が繋がったりちょっと驚く真実があったりで、
スカッと終わる感じ。
読後感がよい。